2013年07月21日
インヂュニア・クロノグラフ・レーサー(2)
数日間使用したインヂュニア・クロノグラフ・レーサーの感想です。
まず、シルバーダイアルとブルーインデックス及び青塗り針のコントラストがくっきりしており、そして時計全体とダイアルが大きい為に、非常に見やすくしっかりと細部の数字まで判明する事が出来ます。それらトレードオフになりますが、やはり重量はあります。場合によっては皮ベルトに交換して軽快感を与えても良いかなと思います。その場合はどうしても腕への装着バランスは悪くなるでしょう。
クロノグラフを作動すると、チャプターリングにあるインデックスにクロノグラフ針がぎりぎりスライドするように進んでいきますので、容易に時間を読み取る事が可能です。また針がインデックスにしっかり届いています。
カタログはクロノグラフ針は青塗りですが、現物は塗られていないSS針でした。色を分ける事により識別を容易にしているのでしょう。赤の差し色を使用するケースはスポーツモデルの常套手段ですが、それを多用するとくどくなってしまいます。しかしこのインヂュニアでは最小限の差色にとどめてあり、それが青色を却って引き立て、赤の良いコントラストを生む結果となっています。
このモデルの最大の特徴は「立体感」でしょうか。べゼルからインダイアルまでの立体的な作りは、通常モデルとしては私は過去に記憶にありません。
2段になった見返し部、そしてスラントしたチャプターリングとダイアルに段差があります。インダイアルリング外周にも段差を設け、ダイアルより1段低くなったインダイアルの目盛部分にアズール模様を施し、中央を少し盛り上げた仕様としています。
アプライドインデックスの造形はとても凝った作りの上、きっちり夜光を施してあり抜かりもありません。
横から見るとべゼルも2段となっており、べゼルサイドはポリッシュ、その表面はヘアラインと使い分けしています。ケースのヘアラインはセンターが上下、再度は左右と施しが分けられています。
立体感の作り、磨き分け等見れば見るほど手間とコストを掛けていると判ります。
SCHAFFHAUSENのロゴがリニューアルされ、ノンセリフ(ヒゲなし)の書体となりました。IWCロゴ自体にはセリフがありますので、このバランスとしてはどうなのでしょう。些細な事ですが、このリニューアルの意味合いを聞いてみたいです。
時計精度は安定しており、平置き時約3秒/日位の進みで全く気になりません。クロノグラフ作動時の付加も抑えてある様で、大幅な変動はありません。
IWCの時計に対する真面目取り組みは昔から変わっていないと安心しました。リシュモンに属しても精度面、剛性感ある作りに於いて手抜きは無く、F.Aジョーンズが創業した1868年から連綿と引き継がれていると感じました。
途中会社が苦境にに立った時、ギュンター・ブリュームライン氏が手腕を発揮し会社を立ち直してからは、クオリティ面に力を注ぎ、価格上昇は招きましたがクオリティとコストを両立させていると思います。特に今回の「円安」における為替の影響による高級時計は、他メゾンが続々と価格値上げする中、IWCは据え置きの努力をしています。
IWCはサンテグジュペリとこのインヂュニアと2本有していますが、今後も私のコレクションに加わる可能性があるメーカーとなる事でしょう。
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